転職時に避けては通れないのが面接です。面接中の空気や質疑応答などに対して苦手意識
を持つ看護師の方は少なくないでしょう。
しかし、前もって面接で聞かれる質問をリサーチしておき、当日の答え方を考えておけば
安心して面接に臨むことができます。
そこで今回は、看護師の面接でよく聞かれる質問や適切な答え方についてご紹介していき
ます。
看護師の転職時、面接で聞かれる質問と答え方8つ
1.「なぜ当院を志望したのですか?」
看護師の面接では、必ずといっていいほど志望理由について質問されます。
これに対して、「家から近いから」「お給料がいいから」「看護師の仕事が好きだから」
など自分本意な理由を伝えるのはNGです。仕事への意欲が感じられず、その病院でなけれ
ばならない理由にもなっていません。
ほかの病院でもいいのではと思われるような答え方は避け、志望理由を具体的に答えるの
がポイントです。「設備が揃っているこの病院ならさらに高いスキルを身につけられると
感じた」「患者様に丁寧に寄り添う貴院の姿勢に共感した」など、この病院だからこそで
きることを具体的に伝えて意欲を見せることが肝心です。
2.「前の病院を辞めたのはなぜですか?」
転職面接では、前の病院を辞めた理由もよく聞かれます。これから雇おうとしている人材
がどのような理由で前職場を辞めたのかは、雇用側からすると大変重要なポイントになる
ためです。このとき、前の職場の不満をストレートに伝えると「不満があるとまたすぐに
辞めてしまうのでは?」とマイナスの印象を与えることになります。
転職理由を聞かれたときには、ポジティブな理由を説明したいものです。「さらなるスキ
ルアップを目指すため」「より規模の大きい病院で働きたいと考えたため」といった伝え
方をし、意欲的に看護師の仕事と向き合っていきたいことをアピールしましょう。
3.「これまでの看護経験について教えてください」
過去の看護経験やスキルについて聞かれた場合には、自身のスキルを余すことなく丁寧に
説明をしましょう。
「全力で看護師の仕事をしてきました」など、抽象的な言い方をしたり、履歴書の内容を
ただなぞるように経歴を語ったりするのはNGです。履歴書に書いていないことを補足し、
詳しく掘り下げながら話していくのがポイントになります。
「ICUでスキルを身につけ、後輩の指導も担当しました」など、これまで勤務した病院の
規模や診療科、担当した業務、得意な業務などもより具体的に伝えましょう。
4.「なぜ看護師を目指したのですか?」
看護師を目指した理由や、看護師や看護についてどのようにとらえているのかを問われる
ことも多いものです。このとき「ほかの仕事より給料がよいから」「手に職をつけたかっ
たから」など、安定性や待遇に関することを答えると、仕事への意欲がないと思われてし
まう可能性があります。
「患者様のつらさに寄り添ったサポートをしたかったため」「悩みを気軽に相談してもら
える頼れる存在になりたいため」など、看護師の理想像や自分が目指す姿をなぞりながら
話してみましょう。
5.「この病院でどんな仕事がしたいですか?」
転職後、実際に採用になった際にどのような働き方をしたいのか、なにを実現したいのか
もよく聞かれる質問です。この質問に対しても、「ポジティブに頑張りたい」「ミスをし
ないよう気をつけて働きたい」など抽象的なことを伝えるのは控えましょう。より具体的
なビジョンがあることを伝え、自身の目標を話すようにしましょう。
「患者様だけでなくそのご家族にも寄り添う支援をしたい」「高度な小児看護を学びたい
」など、向上心を感じさせるような答え方ができれば良い印象を与えることができます。
6.「インシデント経験はありますか?」
看護師として働く以上、事故やミスがないように気をつけるのは当然ですが、インシデン
トは誰もが通る道といえます。そのため、採用担当者は「インシデントはありません」と
いう答えは期待していません。
大切なことは、インシデントが起きたときにどのように対処したのか、どのような学びが
あったのか、その後どのように対策をしたのかを具体的に伝えることです。「慣れによっ
てきちんと確認する姿勢が欠けていたことを反省した」「再発予防のため確認を徹底する
ようにした」といったエピソードを話せば、失敗をしても反省して次に生かせるタイプで
あることをアピールできます。些細なことでもインシデントと受け止め、その都度反省を
して成長してきたことを伝えられると良いでしょう。
7.「夜勤や残業はできますか?」
雇用形態や病院にもよりますが、看護師の仕事は夜勤や残業が多いのが実情です。
面接で夜勤や残業について聞かれたときに、受かりたい一心で「いつでもできます、任せ
てください!」と答えてしまうと、実際に働き始めてから苦労することもあります。しか
し、「一切できません、やりたくありません」とストレートに答えると不採用になる可能
性が高まります。
こういった質問に対しては「この曜日は家庭の事情で残業が難しいですが、ほかの日でし
たらできる限り対応します」など、無理のない範囲で対応する旨を伝えるとよいでしょう
。
8.「最後に、気になる点や不明点はありますか?」
面接の最後には、逆質問をされることも多いです。「特にありません」と答えてもいいの
ですが、答え方によっては「この病院に関心がないのでは」と思われてしまうこともある
ので気をつけましょう。また、求人情報や病院のサイトで確認できる基本的なことを聞く
のも避けたいものです。
「資格支援制度の具体的な内容を教えてほしい」「夜勤を何名ぐらいで担当しているのか
を知りたい」など、実際に働くとしたときに本当に気になることをこの機会に尋ねておき
ましょう。
看護師としての豊富な経験を持ち合わせていても、面接で十分なアピールができなければ
採用される可能性は低くなってしまいます。面接で聞かれそうな質問を事前に想定し、ど
のように答えるべきかイメージトレーニングをしておけば、面接当日には緊張せず自分の
良さをアピールできるはずです。
面接までに時間がある場合には、受け答えの練習をしておくのもおすすめです。鏡に向か
って用意しておいた答えを話すことで、自分がどんな表情をしているのかなどもチェック
することができます。
理想の職場の内定をつかみ取るためにも、事前にしっかりと面接の準備をしておきましょ
う。