看護師の中には、ライフステージの変化に合わせて働き方を変えたり、休職・退職をしたりする方も多くみら
れます。また最近では働き方改革の影響から、「ライフワークバランス」を重視した働き方を選択する方も増
えているようです。仕事と私生活のバランスを考えると、どのような働き方がベストなのでしょうか？
今回の記事では、これからの看護師の働き方やライフワークバランスとの関係について解説します。さまざま
な働き方を知り、自分に合った働き方を考えてみましょう。
雇用形態による看護師の働き方の違いとは？
看護師には大きく分けて「常勤（正社員）」「非常勤（パート・アルバイト）」「派遣」「単発・短期」の4つ
の働き方があります。まずはそれぞれの特徴やメリット・デメリットについて見ていきましょう。
常勤（正社員）
常勤（正社員）とは、病院やクリニック等の医療機関や医療関連企業、研究機関などでフルタイム勤務をする
働き方です。病棟勤務の看護師は2～3交代制になるのが基本で、日勤だけでなく夜勤も担当します。
またほかの働き方に比べると責任のある業務・役職に就けるため、キャリアアップを目指しやすいのも特徴で
す。
常勤は給与やボーナス、社会保険や福利厚生などが充実しており、残業手当や夜勤手当を含めれば安定した収
入が得やすいのが大きなメリットです。また勉強会や研修に参加する機会も多く、管理職を目指すこともでき
るので、キャリアアップを目指したい人には特に向いているでしょう。
その一方で病棟勤務の場合は夜勤があり、生活が不規則になりやすい点や、拘束時間が長くなりがちな点はデ
メリットといえるでしょう。
非常勤（パート・アルバイト）
パートやアルバイトの非常勤は、自分の都合の良い曜日・時間帯に働きやすいのが特徴です。残業も正社員に
比べると少ないため、子どもが小さい方や扶養内で働きたい方、離職からブランクがある方でもトライしやす
いといえます。
デメリットとしては、時給制であるため勤務日数が少ないと収入も少なくなってしまう点です。また、ボーナ
スや有給休暇の日数などは正社員に比べて少なくなる点にも注意が必要です。
派遣
もともと看護師は派遣が禁じられていました。しかし現在では、以下のどれかに当てはまる場合のみ派遣が認
められています。
・代替要員（産休・育休・介護休業などの代わり）
・紹介予定派遣（常勤採用を前提とした派遣）
・病院や診療所以外の施設への派遣（有料老人ホームや保育園など）
派遣は期間限定で働くことができるのがメリットです。家族の転勤や引っ越しまでの間に働きたい、復職の準
備として慣れるために働きたい場合なども、派遣なら条件に合う仕事を見つけやすいでしょう。また、派遣は
常勤に比べると残業も少ないケースが多いため、プライベート優先で働きたい人にも向いています。
デメリットとしては正社員に比べれば雇用や給与面で不安定なこと、責任者としてのやりがいを求める人には
物足りなさを感じる可能性があることです。また、原則として派遣期間中に退職するのは、よほどのことがな
い限り難しいでしょう。
単発・短期
看護師の仕事には1日～数週間などの短い期間だけ働くスタイルもあります。主な勤務先は献血ルームや献血カ
ー、イベントナース、ツアーナースや訪問介護などです。また、医療機関の夜勤・休日の求人などもあります
。
単発や短期の求人は、うまく利用すれば空いた時間で収入を増やすことができます。ただし、現在の勤務先が
副業を禁止している場合は単発・短期の仕事をすることができません。
看護師と働き方改革の関係は？
看護師の働き方に注目が集まる背景には、2018年6月に施行された「働き方改革関連法案」が挙げられます。同
法案では長時間労働の見直し・改善が課題のひとつとして挙げられており、これを受けた「日本看護協会」で
は次のような提言をおこなっています。
・勤務から次の勤務までの間隔を11時間以上空ける
・休憩や残業を含む「勤務拘束時間」を13時間以内にする
・生活リズムの崩れを防ぐため、一定期間内で「日勤のみ」「夜勤のみ」の時期を設定する
・前残業や持ち帰り業務など「可視化されにくい時間外労働」の削減
（参考：日本看護協会『就業継続が可能な看護職の働き方の提案』）
こうした流れから、医療機関では勤務体制や勤務環境の見直し、非常勤・派遣等の活用などの対策をおこなっ
ているところも増えています。
自分にはどんな働き方が合っている？
看護師の働き方や「働き方改革」との関係について見てきましたが、「自分はどのような働き方をすれば良い
のか」という方も多いのではないでしょうか。
たとえば「キャリアアップを目指して働きたい」「子どもが自立して時間ができた」という人は常勤に向いて
いるでしょう。常勤は待遇も手厚いため、給与やボーナス・福利厚生を重視する人にも向いています。夜勤を
避けたい方は、産業看護師やクリニック、診療所などの「日勤のみの就業先」を選ぶという手段もあるでしょ
う。
一方、「子育てや介護と両立させたい」「プライベートも大事にしたい」という人であればどうでしょうか。
このような方は正社員よりも非常勤（パート・アルバイト）や派遣が向いている可能性があります。自分の希
望する条件に合う求人を探すことで、理想に近いライフワークバランスを実現できるはずです。
看護師の働き方は多様化しつつある！ 自分に合う働き方を見つけよう！
近年では「仕事とプライベート、どちらも大切にしたい」と考える看護師が増えていることから、働き方も多
様化しています。さらに病院やクリニックだけではなく、医療系の企業や介護・保育施設、血液センターとい
ったさまざまな就業先の選択肢があります。
家族やプライベートを優先して働きたい方も、働き方と就業先の選び方を工夫すれば「理想的なライフワーク
バランス」を実現できる可能性が高まるでしょう。
もし「自分に合う働き方や職場が分からない」という方は、スカウト型の転職支援サービスを活用するのもひ
とつの方法です。たとえばサポートナースでは、希望条件を登録しておくだけで医療機関から直接スカウトを
もらえます。提示した条件にマッチする医療機関からのみスカウトが来る仕組みなので、あれこれ求人情報を
見比べる必要もありません。
「今の職場と違った環境で、ライフワークバランスを大切にしながら働きたい」「訳あって休職・離職をして
いたけれど、また看護師の仕事にチャレンジしたい」という人は、ぜひサポートナースの利用を検討してみて
くださいね。