看護師転職 あるある
病院、クリニックには毎日たくさんの患者さんが訪れます。その中には、困った患者さんも。看護師のみなさんなら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。もし、そうした患者さんがいることが看護師やスタッフの日々のストレスになってしまっているのなら、その病院やクリニックの体制にも、どこか問題がある可能性があります。
ケース1 「お金を持っていない」という患者さん
ある看護師からは、こんな困った患者さんエピソードが。「お金を払わない人とか、いますよね……」。
患者さんにとって、思わぬ病気にかかる医療費は確かに経済的な負担になってくるでしょう。できることなら払いたくないところかもしれませんが、そういうわけにはいきません。しかし、中には本当にそんなわがままを言う患者さんがいるようです。病院やクリニックにとっては、まさに死活問題と言えるでしょう。
「『お金持ってないけど、来ちゃった』って、平気で言うんですよ。保険に入ってないからとか言って……。そういうときは、仕方がないのでスタッフみんなで相談したりますね」
近年、そんな人たちによる医療費滞納は社会問題にもなっています。実際のところ、医師法第19条にある「応召義務」によって、治療を受けに来た人を病院側ではなかなか拒否できないことになっているのです。これは看護師だけで対処できる問題ではないので、病院やクリニックで対策を練る必要があるでしょう。
ケース2 いつまでも住みついてしまう患者さん
ほかにも、こんな困った患者さんエピソードが。「“病院に住みついちゃう人”とかも、いますね……」。
「入院した患者さんで、もう退院できるのに、『退院したくない』と言うんです。たとえば、保険が申請できるかどうかといった問題で、『保険金が欲しいから、あと一泊させてください!』とか『来月まで、なんとか!』なんて人もいました……」
ただでさえベッドが足りていない状況で、そんな身勝手な要望を受け入れている場合ではありません。しかし無理やり引っ張って追い出すわけにもいきませんから、居直られてしまうと、これまた大変です。こうした困った患者さんに対しての対応マニュアルがきちんと整っているかどうかも、ストレスのない職場を作るためには大切なことかもしれませんね。
ケース3 モンスタークレーマー気質な患者さん
最近いろいろなところで聞く「モンスタークレーマー」は、病院やクリニックの患者さんの中にもいるようです。「わがままを言って、何かと看護師に絡んでくる患者さんは確かにいますね……」。
普通に話しているのに、「言葉遣いがおかしい!」とどなる患者さん。とにかく待つことができなくて、すぐに「何分待たせるんだ!」とキレる患者さん。いろいろなことに一つひとつねちねちと文句を言い、「院長を呼べ!」とすごむ患者さんも……。
「看護師はある種、サービス業に近い部分もありますが、患者さんの召使いではありません。でも、中には完全に召使い扱いしてくる患者さんもいます。そういう人がいると、呼び出されるたびに業務が中断されることに。夜勤などで人が少ないときにナースコールで呼ばれて、長々とつきあわされることも……。それでも、こちらは気持ちをぐっと抑えなければならないですから、本当にストレスです!」
もし、入院して毎日顔をあわせる患者さんがモンスタークレーマー気質だったら。肉体的にも精神的にも、かなりまいってしまいます。そんな患者さんに当たってしまうのは、もはや運? それもあるかもしれませんが、職場としての対策も何かできるはずです。
「しっかりした看護師長がいれば、モンスタークレーマー気質の患者さんに出合ってしまったとしても、ちゃんと守ってくれると思います!」という、看護師からの意見も。
「つけこまれて一人の看護師がターゲットになったりするのですが、そういうトラブルがあったとき、その患者さんに毎日つかなくていいように看護師長が配慮してくれたこともありました。相談したときに、どこまで親身になって考えてくれる看護師長かどうかですよね。人によっては、結構無関心な看護師長もいるかもしれません……」
「看護師長は患者さんを持たないので、一日ナースステーションにいても問題ないのですが、ある看護師長は毎日患者さんのところへあいさつに行って、常に全員を把握していました。下からの報告を待っているだけの看護師長よりも、患者さんについての相談を受けたときに、すぐ『あの人か』とピンとくる看護師長のほうが、対応も早いですよね」
あなたが務める病院やクリニックには、こうした困った患者さんについて相談できる体制が整っているでしょうか? これから新しい転職先を探すという方も、気をつけておいたほうがいいポイントかもしれませんね。