看護から美容業界へのキャリアチェンジ「転職サイト」を使った転職成功のエピソード
世の中にはさまざまな転職サイトが存在しますが、そのすべてが優良サイトとは限りません。今回は、看護業界から美容業界へのキャリアチェンジ後、美容業界専門の転職サイトを活用して、キャリアアップを叶えたAさんのエピソードをお届けします。良心的で転職に役立ったサイトだけでなく、エージェントの対応に悩まされたという転職サイトについても伺いました。
〜インタビュアーのプロフィール〜
Aさん(29歳)美容外科クリニック勤務
経歴:看護師専門高等学校卒業後、20歳〜25歳まで総合病院に勤務、26歳でエステ業界に転職、27歳で海外留学、28歳で美容外科クリニックに転職
5年間の看護師経験を経て、エステティシャンへ転職
——Aさんのご経歴を簡単に教えてください。
私は5年間の看護専門高校を卒業したあと、20歳から25歳まで総合病院に勤務しました。ここでは脳外科と整形外科を担当し、オペ患者さんの術後ケアやリハビリをスムーズに進めるために他職種との連携を行いました。現在はオペでドクターの介助や直接患者さまへレーザーの施術をしています。26歳でエステティシャンに転職し、アロママッサージ等の施術を担当、27歳で1年間の海外留学(フィリピンとカナダ)、28歳で美容外科クリニックに転職し、現在は医師のサポートや患者さんの対応を担当しています。
——5年間、看護の世界に身を置いていたAさんが26歳で美容業界にキャリアチェンジされたのは、どんな理由からでしょうか?
そもそも私が看護業界に就職したのには、2つの理由があります。1つは「手に職を付けなさい」という母のアドバイスがあったこと、もう1つは、看護業界の奨学金制度が充実していたことです。ただ、本当に目指したかったのはファッションや美容に関わるキラキラした仕事でした。私が通っていた看護高校は5年経過すると奨学金の返済義務がなくなるため、5年経ったら本当に好きなことをしようと決めていたんです。看護師を5年がんばって、ようやく憧れていた美容業界へのキャリアチェンジを叶えられました。
——そうだったんですね。そのときは、どのような転職活動をされましたか?
エステを経営している友人からの紹介ですんなり転職先が決まったので、このときはほとんど転職活動をしていませんでした。
——なるほど。では、27歳でエステを退職し1年間留学されたのは、どのような理由でしたか?
現在は派遣の看護師も増えており、派遣期間内で精力的に働き、お金を貯めて新たなチャレンジをする方もいます。周囲の派遣看護師さんの中に、海外留学をされた方がいて、「そういう生き方が素敵だな」と思ったんですよね。ちょうど外国人の患者さんが増えてきたタイミングだったし、これから東京でオリンピックもあるので、英語を学ぶために留学しました。
転職サイトを活用し転職に成功!優良サイトと悪質サイトの違いは?
——海外留学というアグレッシブなチャレンジをされたあと、2度目の転職先として美容外科クリニックを選んだ理由を教えてください。
以前に務めていたエステではアロママッサージの施術が中心だったのですが、もう少し美容の深い知識を身に付けたいと考えたことが一番の理由です。だから、美容医療に携われるクリニックに転職しました。
——その際は、どのような転職活動をされましたか?
美容業界の転職に特化した某サイトと看護師専門の転職サイトの2つに登録して、2ヶ月ほど活動していました。美容専門サイトでは、年に4回ほど多くのクリニックが集まる就職説明会が開催されるため、そこに参加して気になる会社にエントリーする流れでした。結果的にその美容専門サイトのエージェントに紹介してもらったクリニックへの転職が決まりました。
——「美容業界の転職に特化した某サイト」を選んだ理由を教えてください。
美容業界の転職サイトの中でも知名度が高く、転職先の情報量が多かったことが決め手でした。看護師時代からずっと美容業界に興味があったので、たびたびそのサイトでクリニックの情報をチェックしていたんです。
——実際に使ってみて、いかがでしたか?
エージェントはギャルっぽい雰囲気の人でしたが(笑)、すごく親身になって相談に乗ってくれました。何より役立ったのが、面談へのアドバイス。私が志望するクリニックの傾向を踏まえた面談の質問リストがあって、その質問に回答すると、回答に対して丁寧にアドバイスをしてくれるんです。このやり取りを何度も無料で行ってくれました。このサポートのおかげで面談当日は自信を持って迎えられたし、結果的に現在のクリニックに入社できたのだと思います。
——それは有効的なサポートですね! 一方、「看護師専門の転職サイト」のほうは、いかがでしたか?
実はこちらのサイトは最悪で……。けっこう有名なサイトではあるんですけどね。私の第一希望は美容業界だったものの、美容業界は年齢を重ねると働くのが難しくなることがわかっていたので、念のため看護系の仕事も探しておこうと思って、登録しました。当時の私は病院を離れてから2年のブランクがあったため、あまりハードではない職場を希望していて、担当エージェントにもそのように伝えていたんです。それにもかかわらず、希望と異なる病院をしつこく紹介してきて……。「その病院は遠慮します」と伝えたのに何度もその病院を勧めてくるので、だんだん怖くなってきて登録を解除しました。おそらく、転職サイトと病院の間でなんらかの金銭的な取引があったのではないでしょうか。
——利用者のメリットを置き去りにして自社の利益だけを追求した結果、そのような質の低いサービスになってしまったのかもしれませんね。
そうですね。他の看護師サイトでも、やたらとしつこく電話をしてくるエージェントもいました。学歴などの個人情報を電話口でしつこく聞いてきて、この対応もすごく嫌でした。
——転職をする際に、毎回感じている課題はありますか?
希望する病院やクリニックの理念や傾向をしっかり下調べし、なぜそこに行きたいのか、何を学びたいのか、そういった自分の考えをしっかり意見を固め、それを履歴書・職務経歴書に反映していくのが課題だと感じています。
美容医療の最前線で働くAさんの今後の目標
——現在は最後の転職から1年半が経過したところですが、今の働き方には満足していますか?
長時間労働だったり、先生たちが厳しかったり、ツラいなと感じるところはあって、実は入職直後の3ヶ月の試用期間は、毎日のように泣いていました。病棟に比べて美容業界は患者さまへの言葉遣いや対応が、より大事になってくるので、相応の厳しさがあります。
でも、やりたいことができている満足感は十分にあります。美容外科は病棟と違って看護師自身で施術する事が多いため、自分の実力を発揮できる場所だと思います。一番ツラかった試用期間の途中で、投げ出さずに乗り越えてよかったです。
——Aさんが現在のクリニックで感じるやりがいを教えてください。
先輩の指導なしで1人でオペの助手を担当して無事に終えられたときは、すごく達成感がありますね。あとは、患者さんとのコミュニケーションで、以前は何を聞かれても「確認します」が口グセだったんですが、今はすぐに対応ができるようになり、患者さんに喜んでもらえることがやりがいになっています。
——最後に、Aさんの今後の目標を教えてください。
美容外科クリニックには病棟とは違う厳しさがあり、覚えることも膨大にあります。現在、入社して1年半が経ち、簡単な施術のサポートはほとんどできるようになったので、今後は骨を削る手術や豊胸手術のような大きなオペの助手ができるように勉強していきたいです。