同じ病院で仕事をするべき? 転職したほうがいい?

看護師転職 理由

一般企業でも、定年まで同じ会社で働く終身雇用制度の崩壊が加速していると言われる昨今。看護師はどうなのでしょう。周りを見渡してみても、新人で入った同じ病院でずっと定年まで勤め上げるという看護師は、なかなかいない珍しい存在になっているのではないかと思います。

 

いわゆる、“手に職”のある看護師。その資格を武器にして働く場所が選べる側面があるので、一般的な会社員と比べても、感覚的に一つの職場にこだわらないところがあるようです。ある現役看護師からは、「今は普通の正社員よりも派遣のほうが流行っているというか、あえて選ぶ人が多いと思いますよ!」という意見も。仕事に対する考え方は、より自由度を増しています。

 

ずっと同じ病院で働いていくのがいいのか、思い立ったそのときに転職したほうがいいのか、ここで検証していきたいと思います!

 

 

ライフステージに合わせて働く場所を変えていくのが主流

 

現役看護師の間では、こんな意見もあるようです。「救急の医療の現場なども若いうちならがんばれますが、年齢を重ねていったり、結婚したりしたら、続けるのはかなり大変なのではないでしょうか」。看護師の働き口はさまざまな科や分野があるわけですが、自分のそのときのライスステージにあった働き方ができるところでなければ、生活は立ち行かなくなってしまいます。

 

看護師には女性が多いこともあり、転職のきっかけとなる大きなライフステージの変化は、結婚、出産、子育てに影響されることが多いようです。勤務時間が長い病院勤務でも、出産期や子育ての間は産休・育休が取れたり、時短勤務に対応してくれたりするのが普通ですが、それが難しいような職場なら転職も考えるということになってくるでしょう。

 

 

新人のうちに、焦って転職をするのは禁物

 

ある程度の年数を重ねてからの転職であれば、それまでの経験が認められ、転職にも有利となります。しかし、新人のうちに転職しても、また一からやり直しになってしまう恐れが。現役看護師の間でも、「新人のときはいろいろ辛いことも多いけど、3年間は続けたほうがいいと思う」という意見が多いよう。

 

「3年経てば、ある程度いろいろなことがわかってきます。『この先輩、仕事してないな』とかも見えてくる(笑)。自分が興味を持てる分野もわかってくるので、それから転職しても遅くはないのではないでしょうか」

 

また、あまり経験がないと、特に人が足りていないようなところで働くのは難しいといいます。指導にずっとつきっきりになってしまうと、それでもう2人欠員が出るようなもの。指導係に一人の看護師がとられてしまうと、ほかの看護師がその患者さんのケアをしなければならないという事態も起きてきます。

 

「1年目とかで転職してしまうと勉強も中途半端なところで終わってしまっているので、違う病院に行っても十分な働きはできないでしょう。3年くらい勤めて勉強していた経験があれば、次の職場でも病棟の流れや構造が大体わかっているので、患者さんのケアにもスムーズに入れますよね」

 

まさに、石の上にも三年。この「三年」の本当の意味は「長い期間」をたとえているわけですが、看護師の場合は文字通り3年間ほど勤め上げれば、ある程度自信を持って次にステップアップしていけそうです。

 

 

奨学金制度を利用している場合は、その期間を終えて転職を

 

中には、こんな現役看護師もいます。

 

「私は、卒業後の3年間は指定の病院で働かなければならないという条件がついた奨学金制度を利用して学校に通ったので、3年間は転職ができませんでした。学校によって、2、3年とか、5年間というところもありますが、こうした制度を利用して学んだ看護師も多いのではないでしょうか」

 

学費を免除してもらった代わりに、期限付きで指定病院での勤務が義務付けられている場合は、それに従うほかありません。その間は将来のための修行と割り切って、学び、インプットする期間と考えるのが賢明です。

 

しかしその期間が明けた暁には、転職をしたほうがいいという現役看護師からの意見も。

 

「同じ科でも、病院によって方針は少しずつ違ってきます。同じ場所ばかりでなく、転職してほかの病院やクリニックのやり方を知っていくことで、看護師としての視野も広がりますよね。結婚するとまた働ける範囲も限られてくると思うので、その前に何度か転職を経験しておくのはおすすめです」

 

自信がついたら、若いうちに経験しておけることはしておく。それがまた、将来の自分にもつながっていくのではないでしょうか。

 

 

転職先は病院、クリニックだけとは限らない?

 

世の中の看護師の転職先は、病院やクリニックだけには限らないようです。中には思い立って勉強し直し、キャビンアテンダントに転身したという看護師も。臨機応変な対応や人間力も問われる看護師の経験は、いろいろな分野でも活かせるのかもしれませんね。

 

「私は新人の頃に勤めていた病院を辞めて、一度美容エステで働いていました」

 

そう語るのは、現在、美容外科クリニックで働いている現役看護師。かねてから興味を持っていた美容外科クリニックでの勤務も見据えて、一度看護師としてではなく、いちスタッフとして美容エステの店頭で働いていたのだそう。店頭で美容に悩むお客さんとさまざまなやりとりをした経験が、今の美容外科クリニックでも活かされているといいます。

 

「もちろんそのまま美容外科に転職して働く看護師もいますが、エステや肌レーザーの開発会社、化粧品会社などで一度働いてから美容外科に行く看護師もいます。経験になるので、仕事にも有利になると思いますよ」

 

美容外科に興味がある人は、一度考えてみてもいい選択肢かもしれませんね。このように、選択肢はごまんとあります。あなたは転職の先に、どんな未来を見据えますか?

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