整形外科ってどんなお仕事? 現場での体験談です!

看護師転職 整形外科

「看護師さん、本当にありがとうございました!」

 

そんな気持ちのこもった「ありがとう」を言われる瞬間は、どの看護師にとってもかけがいのないものでしょう。思わず泣きそうになるほど、何度言われてもうれしいものです。

 

今回お話しするのは、ある看護師が整形外科で働いていたときに体験したできごとです。「涙なしに語れない!」リアルな話。看護師として働いていると、そこで働く医師の先生方のこともいろいろと見えてきて、何か複雑な思いを抱くこともあるのでは……? ある看護師がなんとも言えない気持ちにさせられたこの話、みなさんはどうジャッジするでしょうか。

 

 

とても仲良くさせていただいた、とある患者さん

 

そのおばあちゃんは、骨折をして私たち看護師が勤める整形外科に入院することになりました。よくお見舞いにも来られて、とても仲の良いご家族だったのをよく覚えています。

 

「いつもありがとうございます!」

 

そんな言葉を、何度かけていただいたかわかりません。患者さんであるおばあちゃんとは、そのお人柄のせいか看護師としてとても仲良くさせていただいて、お見舞いに来られるご家族のみなさんもいつも感じがよく、数えきれないほど感謝の言葉をいただいていました。

 

でも、本当に何一つ人格的に悪いところがない患者さんにも、分け隔てなく病魔は襲ってくるものです。まさかそんなことになるとは夢にも思わない事態が……今思い返して悔やんでみても、悔やみきれません。

 

 

ある若手医師の判断は、果たして正しかったのか……

 

看護師と患者さんという間柄でしたが、そのおばあちゃんとは本当に仲良くさせていただきました。いつもニコニコとして、やさしいおばあちゃん。単純な骨折による入院でしたが、心配されたのは「糖尿病」も患っているという点でした。

 

担当医師は、弱冠30代の若手の先生でした。決して悪い方ではありませんでしたが、その若さゆえか、どこかプライドが捨てきれないところもあったように思います。実際に、最初はそんなに“問題”があるとは思われなかったのです……。血液検査などの結果から、そのおばあちゃんの糖尿病はある程度コントロールができていると診断され、専門の先生に診てもらうことなく、その整形外科の担当医が自ら糖尿病に関しても対処していく方針となりました。

 

今振り返ってみれば、あのときちゃんと糖尿病の専門医に診てもらっていたら、すべては良い方向に行っていたと思うのです。でも、残念ながらそうはいきませんでした。

 

 

糖尿病が悪化、ついに歩けなくなってしまったおばあちゃん

 

糖尿病は、本当に怖い病気です。ほんの少しのさじ加減で最悪の事態が起こってしまうのですから。こんなことを看護師が言うべきではないのかもしれませんが、その先生はそのときやっぱり判断を誤ってしまったのだと思うのです……。

 

いつも笑顔で答えてくれたおばあちゃんは、日に日に元気がなくなっていきました。糖尿病は、数値が悪ければ薬を変えたり、点滴を変えたり、食事で調整したりと、繊細なコントロールをしていかなければならない病気です。しかしそのコントロールがとことんうまくいかず、対処も後手後手になっていきました。

 

入院当初は、骨折をしていたものの、杖をつけば歩ける状態でした。しかし、そのうちそのおばあちゃんは寝たきりの状態になってしまったのです。私たち看護師は、ただただ、少しでもおばあちゃんが辛くないように身の回りのケアしてあげることしかできませんでした。ようやく内科の先生に助けを求めたときには、すでにもう手遅れの状態だったのです。

 

そして、ある日の夜……。おばあちゃんは危篤状態に陥りました。何人もの看護師が交代で行う夜勤ですが、おばあちゃんと一番長く一緒にいた、一番仲の良かった看護師が宿直のときでした。彼女はそこで、奇跡的におばあちゃんを看取ることになったのです。その瞬間にはもういろいろな思いが去来し、涙を抑えることはできませんでした。それでも最後の務めとして、心を込めてお体を清め、お化粧をするエンゼルケアを施しました。

 

ご家族の方からは、「看護師さんには本当によくしていただきました」という言葉をかけていただきました。「おばあちゃんは、これが運命だったんだよ」と。そこではほとんど何も言うことができませんでしたが、看護師としてとても心残りだったのは確かです。「あのとき、ああしていれば」「もしかしたら……」と、今でもその思いは忘れられません。

 

みなさんも、もしかするとそんな悔しい思いをしたことがあるでしょうか。正解のない医療の現場では、看護師として納得のいかないことが起こることもままあります。でもそこで毎度心を砕きながらも、看護師として少しでも成長していくしかありません。次に訪れた患者さんには、自分史上最高のケアができるように。そんなあなたの力が発揮できる職場を、ぜひ探してください。

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