看護師 転職理由
今、転職しようと考えている看護師のあなた。いざ転職活動を始めようと思っても、一体どういうことに気をつけて進めればいいのか、不安に思うところもあるのではないでしょうか。
今回が初めての転職だという方も、次こそは転職で失敗したくないと思っている方も、必読! ここで、看護師が転職を考えたときに注意したほうがいいことについて、少しまとめてみたいと思います。
その1 「過去はふり返らない」はNG!
あなたはなぜ、転職しようと思ったのでしょう。「もう、過去なんてふり返らないわ!」という考えでは、今回の転職でも失敗してしまう恐れがあります。なぜなら、その転職しようと思った理由こそが、次に選ぶべき勤め先の条件に関わってくるからです。
よく聞かれる「人間関係に疲れた」という理由を1つとっても、その「人間」は誰なのか、同僚の看護師なのか、先輩の看護師なのか、医師なのか、はたまた患者さんなのかで話は180度変わってきます。そしてその「関係」にはどんなストレスがあるのかも、つきつめて考える必要があると思います。
せっかく転職しても、そこでまた同じような悩みを持つことになれば元も子もありません。転職を心に決めるきっかけとなった原因をしっかり見極めて、転職先の条件を詰めていきましょう。このあたりについては、コラム「看護師が転職を決める3つの理由とは?」でも詳しく書いていますので、ぜひ参考にしてください。
その2 「周囲の環境が悪い」という決めつけはNG!
また、「人間関係」などを理由に転職を考えている看護師は、その悩みが本当に人間関係の問題なのかどうかも、一度考えてみる必要があるかもしれません。
たとえば、いつもあなたに嫌味を言ってくる同僚や、毎日のように叱りつける看護師長に嫌気がさして転職を考え始めた、という場合。そして、これまでにも同じような理由で転職をくり返してきた……という方。それは本当に、相手だけの問題なのでしょうか。
看護師の仕事はチーム戦です。人間関係の悩みは、あなた自身にも問題がある可能性があります。あなたにも少し力量不足な点があったり、勉強が足りていないところがあったりすることはありませんか? もしもそんな自分の至らなさに思い至ったなら、次に選ぶ転職先には、「学べる環境」「自分が成長できそうなシステムがある」といった条件をつけ加えてもいいかもしれませんね。
逆に、「人間関係」というひと言で片づけてしまう中には、嫌味な先輩や同僚の存在以前に、その病院やクリニックの勤務体制に問題がある場合もあります。単に患者さんが多い病院の看護師が過酷かというと、そういう病院ではその分人員を増員するなどの体制が整っていて、かえって働きやすいということも。一方で、小さなクリニックで看護師が足りていないところのほうが多忙を極め、疲弊してしまう場合もあるようです。
こまかな人員についての情報や離職率などをわざわざホームページなどで公開しているところはあまりないと思いますが、転職する際は面接時などに気になることはなんでも聞いて、不安はすべて解消しておきましょう。
その3 転職先選びは「ブランド」よりも「内容」で!
転職先をどこにしようか考えるとき、より意識が高い上昇志向の看護師ほど、名が知れた「ブランド」で見る傾向があると思います。確かに有名な病院は、それだけレベルが高く、待遇もいいかもしれません。しかし、そこにはやはり落とし穴があるのです。
それは仕事の「内容」、つまり配属先です。いくら名の通ったレベルの高い病院でも、配属先が自分の希望する科ではなかったら、その仕事内容は当然ながら大きく変わってきます。「この病院なら、希望の科じゃなくてもいいか」と妥協して入った結果、何年経っても希望の科に配属されることなく、ストレスが積もりに積もって結局また転職を考える……なんてことになる可能性もあるのです。
自分が興味を持っている科に配属されれば、それだけ仕事にやりがいが見出せます。また科によってそれぞれ独特な雰囲気を持っているので、それが自分に合っているのかどうか見極めることも、転職を考える上では重要です。
外科系の場合、基本的に患者さんは手術をしたら元気になっていくので、リハビリをお手伝いするなど大体やることは決まっています。元気になっていく患者さんを見るのが好きだという人には向いているかもしれません。
外科系が性に合う看護師は、内科系は「無理!」となることも。内科の病気は長引くことが少なくないので、先生の雰囲気も患者さんの雰囲気も外科系とはまた違ってきます。クリニカルパスに従って動くことが多いが内科系は看護師が自らアセスメントして看護を提供する部分が大きくそれにやりがいを感じられます。
カルテを読み込んだり、血液データなどを分析したりすることに面白みを感じる看護師、内科系の特徴として長期入院や入退院を繰り返すことが多く、一人の患者さんと深く向き合えることでの看護のやりがいを感じられる方、には合っているかもしれません。
手術に立ち会う手術看護師に興味がある看護師もいれば、「がん性疼痛などの緩和ケアや終末期看護について深く学びたい!」という看護師もいます。「ギリギリの患者さんが来る救急外来の、なんともいえない緊張感が自分には合っている!」という看護師も。
「経験が少ないから何が自分に合っているのかわからない!」という看護師も、学生時代からふり返ってみると、自分が面白みを感じる興味を持てそうな科が思い浮かぶのではないでしょうか。転職の際には、決してブランドだけで見たりせずに、自分の進むべき方向をしっかり見極めましょう。