看護師転職 失敗
転職は、あなたの今後の人生にも少なからず影響を与える、ここ一番の大勝負。いくら引く手あまたの看護師とはいえ、一度でも“失敗”なんてしたくないですよね。せっかく新しい職場が決まっても、すぐにまた不満がつのって転職を考えるようになってしまったら、今までやってきたすべての転職活動の努力が水の泡です。1つの職場で勤めた期間がとても短く、転職をくり返しているというのも、採用側にとってはあまり印象の良いものではないでしょう。
これから初めての勝負に出ようとしている転職デビューの人も、実はもう何度も転職をくり返していて不安だという人も、転職には失敗しやすいパターンがあるのをご存知ですか? ここでは陥りがちな3パターンの転職失敗例をご紹介。失敗しやすいケースを知って、しっかり対策を練っていきましょう!
パターン1 自分に合った職場の見極めが不十分!
新しい職場が自分に合っているかどうかを見極めるのは、転職を成功させるために欠かせない、最重要事項と言っても過言ではありません。転職先の条件をしっかりと吟味するだけでなく、自分自身がどういう職場を求めているのか、改めて自己分析をすることも不可欠。特に、これまでの転職が失敗だったと感じている人、転職をくり返してしまっている人は、ここで一度立ち止まって、自分自身と向き合う時間が必要です。
「今の職場に不満があって転職を決めた」という人は、その不満の正体を徹底的に見極めましょう。「人間関係に疲れた」というのが理由なら、それは具体的にどういう関係だったのかを掘り下げます。たとえば「先輩の小言が多すぎてストレスが蓄積された」という人は、「なんであんなに小言を言われたのだろう」「自分には一切、非がないだろうか?」ということも、あわせて考えてみてください。
もしそこで、自分に足りていないことやこれから学ぶべき課題が発見できたら、儲けものです。次の転職を成功させるためにも、それを反省材料にして、学びの機会を持つ計画を立ててみては? 病院やクリニックによっては、あなたが成長できる学びの場を用意してくれるところもあるでしょう。
転職先を選ぶ際は、具体的な仕事の内容も仕事へのモチベーションに関わる重要事項です。まずは病院なのか、クリニックなのか。大学病院の正社員はレベルが高い分、日々の課題も多く、過酷なところもあります。それでもその先に、あなたの目指す看護師像につながるものがあるのなら、がんばれる側面もあるでしょう。
もちろん小さなクリニックでも、少ない人員でいろいろな仕事をこなさなければならない苦労があります。それでも、診療時間が限られている分、あなたのプライベートに合った勤務時間が選べる可能性は高いと言えます。クリニックの顔として、地域の方々に貢献するやりがいもあるでしょう。
どの科に配属されるかも、大きな問題です。希望の科に配属されなくても、ゆくゆくは移れるという希望を持って転職先を決める人もいるかもしれませんが、そこは慎重に。いつまでも移れずに、結局また転職することにしたという話もあります。
それぞれの科にはそれぞれの特徴があり、そこにはあなた自身の興味の対象や性格も大きく関係してきます。あなたの興味次第では、今まで経験のない科にも可能性が見出せるかもしれません。自分がどの科に適性があるかについては、転職先を決めるときに改めてじっくり考えてみてください。
パターン2 給与面だけで転職先を判断!
「給料アップを目指して転職します!」という人もいるでしょう。看護師は他業種と比べれば比較的収入が高いと言われますが、一方でその給料が上がっていく率は低い傾向にあります。「何年勤めても全然給料が上がらない……」と不満に思ったのを機に、転職を考える人がいてもおかしくありません。
「給料アップの近道は転職にある!」という考え方もあるようです。でも、ちょっと待って。そこで「給料が高いところが転職先の一番の条件!」としてしまうと、転職に失敗してしまう危険があります。
正攻法でいけば、収入アップのためにはそれだけ多く働くことになります。夜勤を多く入れれば、手当もついて収入はアップするでしょう。そうした働き方が選べる転職先を考えてみても良いかもしれません。ボーナスなどの賞与によっても収入の差は出ますが、そのあたりは裁量なので、転職活動中に調べるのはなかなか難しいところがあります。
「実は病院やクリニックによって基本給の違いが大きい」とも言われます。しかし、単純に基本給が高いというだけで転職先を決めてしまうのは危険です。地方と東京でも基本給は変わってきますが、その分家賃や物価の違いなどで生活費も変わってきます。そうではなく、ただ基本給が他と比べて飛びぬけて高いというところは、それだけの理由があります。
あなたのこれまでの経歴や取得した資格などを評価して、基本給を高く設定してくれる転職先もあると思います。しかし一部では、なかなか人が居つかない職場で、「基本給を上げてでもなんとか人を入れたい!」というところも。それだけ厳しい職場環境である可能性があります。基本給が高い理由が目に見えてわかり、納得した上での選択なら良いのですが、理由もわからず高いところに飛びついてしまったということのないように。一度冷静になって、その裏についても考えてみましょう。
長く勤めていくためには収入面だけでなく、転職先の条件や職場環境の吟味も非常に重要です。何が自分にとって優先順位が上なのか、新卒採用の頃とは違って転職ではこれまでの経験を元に考えられるはずですから、やみくもに探し始める前にきちんと整理しておきましょう。特に勤務体制などは、プライベートも含めた自分のライフスタイルに合っているところを選ばなければ続きません。
2交代制なのか3交代制なのか、どちらを選ぶべきかについては、コラム<「2交代制」と「3交代制」のメリットとデメリットは?>でも詳しく書いています。ぜひ参考にしてみてください。
正社員として働くか、パートタイムで働くかも重要事項です。働き方によってはパートタイムでも十分に収入を得られることがあります。イメージで決めずに、それぞれの内容をよく精査して、将来的に自分はどうなりたいかも含めて考えるべきでしょう。コラム<「正社員」だけが正解ではない? パートタイム勤務の利点とは>では、パートタイム勤務の利点についても言及しています。
パターン3 エージェントに任せきりの転職活動!
最後に3つめのパターンとして挙げたいのが、「人に任せきり」の転職活動による失敗です。インターネット上には看護師の転職を応援するウェブサイトがさまざまありますが、中でもいわゆる「エージェント」と言われる類のものに会員登録をすると、こちらの経歴や条件を提示すればいろいろな転職先を紹介してくれて、あとはその中から選べば良い……という流れになります。
とても手軽で良い気がしますが、そこではトラブルが起きているのも事実。いい条件ばかり聞いて転職したはずが、実際に働いてみると「思っていたのと全然違う!」となることも少なくないようです。
一般的な看護師転職エージェントは、看護師を1人紹介するごとに病院やクリニックから100万円、150万円といった多額の報酬を得るシステム。その報酬目当てになりがちな一面があり、あまりこまやかな条件精査ができていないエージェントもあります。コラム<使える看護師転職サイトの見極め方>も、ぜひご参考に。もちろん信用を武器にした頼もしいエージェントもありますが、そうだとしても勧められるまま流されて決めるのはあまり良いことではありません。
本当にその転職先は自分に合っているのか、しっかりと聞きたいことは聞き、外せない条件とともに自分自身でよく考えて。看護師の働き口はたくさんあり、そこがすべてではありません。この『看護師 転職・求人.com』では、あなたにぴったりの転職先が決まるまで、あなたの経歴を高く評価するいろいろな病院やクリニックからのオファーをお届けしていきます。転職に失敗しないためには、焦らずじっくり決めていきましょう